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スイスフランショック!

すでにこのような名前がついた1月15日のスイスフランの歴史的暴騰において、なぜ、FXブローカーが破綻するのか考えてみようと思います。

巷のニュースやブログによると、ユーロに対してスイスフランが35%上昇したとか、30分で4,000pip動いたとか、対円で50円上昇したとか、さまざまな情報が飛び交っています。尾ひれのつけ方に多少の違いはあっても、全て正確な情報なのでしょう。

FXはブローカーとの相対取引であり、今回のようなメガトン級のイベントでは同じ通貨ペアでもブローカーが違えばチャートの形も大きく異なるものと思われます。それを承知の上で営業停止に追い込まれたEXCELmarketsと、親会社が破綻したアルパリジャパンのチャートを見てみます。


EURCHF 30分足 (Excel Markets)

EXCELmarketsのMT4が表示するEURCHFの30分足です。発表直後の最初の30分でユーロ安フラン高方向に2,000pip近く動いています。正に戦慄のチャート。ポジションの取り方により天国・地獄が明確ですね。
EURCHF 30分足


EURCHF 5分足(Excel Markets)

次のチャートは同じくEXCELmarketsのMT4が表示するEURCHFの5分足です。先のチャートを5分足で拡大したものになります。これまたリアルに恐ろしいチャートになっています。最初の5分で500pip変動したかと思えば、10分から15分の足が横棒一本になっています。多分、注文が通らなかったのでしょう。そして極めつけは1,000pip越えの大々々々ジャンプ。背筋が凍りつきそうです。
EURCHF 5分足


CHFJPY 1分足(アルパリジャパン)

次は、アルパリジャパンのMT4が表示するCHFJPYの1分足です。発表前115円だったスイスフランが発表後20分も経たないうちに154円越え、約40円もの大暴騰です。しかもクライマックスでは141円から+13円の大ジャンプ。EURCHFに負けない阿鼻叫喚のチャートになっています。CHFJPYはUSDJPYと同じような感覚で値動きを捕らえられるため、恐怖にリアリティーがあります。
CHFJPY 1分足


なぜ、ブローカーが破綻するのか?

FXブローカーは顧客と市場の間で注文を取り次ぎ、手数料を商売の源泉にしています。普通に考えれば、相場がどんなに荒れようとも損はしないはずで、破綻もありえません。しかし現実には、Alpari UKのように破綻したり、EXCELmarketsのように大きな損失を負って営業停止に追い込まれるブローカーが多数存在します。

なぜ、ブローカーが破綻するのでしょうか?
破綻の原因は「ノミ行為」と「レバレッジ」だと思います。


ケース(1) ノミ行為で顧客が大儲けした場合

多くのブローカーは顧客の注文を全て市場に通さず、いくらかは呑んでいると思われます。そもそも0.01ロットのような小さな取引でも表示レート通りに約定させるには、ブローカーがリスクを負って注文を呑まなければなりません。事の良し悪しは別として、サービスレベルを上げるには多少のノミ行為は必要不可欠となります。

ノミ行為下では、顧客が利益を出す事=ブローカーの損失となります。通常の相場であれば多少の損失も必要経費として処理することが合理的なのでしょう。

ただし、スイスフランショックのようなメガトン級の大異変が市場を襲った場合、慌てて注文を市場に流してもカバーされず、ほんの数分で何千pipもの含み損を抱えてしまうのだと思います。しかも顧客は利益を出しているため、ブローカー側ではロスカットのようなポジション操作はできません。正に指をくわえて損失の拡大を見守るしかなす術はないのです。そのような意味で顧客以上の阿鼻叫喚がブローカー側で巻き起こっていたのでしょう。


ケース(2) ノミ行為をせず顧客が大損した場合

例えノミ行為をしていなくてもブローカーは損失を完全に回避できません。それはレバレッジがかかっているからです。

海外では、400倍、500倍のレバレッジも珍しくありません。中にはロシアのブローカーEXNESSのように、2000倍のレバレッジを提供するブローカーすらあるほどです。そしてこのようなハイレバレッジのブローカーを使い、経済指標発表直前にフルレバでポジションを取るトレーダー(ギャンブラー?)は山ほどいます。損失は証拠金に限定でき、利益は無限大という極めて有利な取引を彼らはブローカーとしているわけです。

そして今回のスイスフランショック。証拠金を全損したトレーダーは沢山います。彼らにとって想定内ですからいつもの事です。次の機会を狙えば良いだけです。しかし、何千pipもの彼方に飛んでいったポジションの後始末をするブローカーはたまったものではありません。損失の大きさに比べれば顧客の提供した証拠金など焼け石に水。なんせ数百倍のレバレッジで全力トレードしていますからね。


まとめ

以上のことを踏まえると、ノミ行為の有無に関わらず、スイスフランショック級の激変相場ではあらゆるブローカーが破綻のリスクをゼロにはできません。破綻するかしないかは、顧客のポジションがブローカーにとって不利なほうに偏っていたかどうかです。運不運もあるでしょう。

ただし、ブローカーがレバレッジを抑えれば抑えるほど破綻のリスクも小さくなります。同時にサービスレベルも落ち顧客も去って行きます。通常、リスクは何かとトレードオフの関係にありますから、ブローカーにとっては悩ましいところでしょう。

一方、私たちトレーダーには選択肢があります。日本の25倍を選ぶも良し、ロシアの2000倍を選ぶも良し、正に自己責任ですね。

そしてFXはゼロサムゲーム。
誰か損失は誰かの儲け。
ブローカーの破綻も然り。




【関連記事】

「スイスフランショック」の余波世界に、為替業者が破綻
Alpari UK 破綻
EXCELmarketsが大変な事に!


2015/1/18 追記

2015/1/17に投稿した記事に誤解を招く表現がありましたので補足説明いたします。

元FX業界経験者様のコメントから引用
ノミ行為って・・・国内・海外業者問わず取引約款読んでます?Google翻訳なんか使うほどだからどうせ英語すらできなくてちゃんと読んでないんでしょうけど・・・

客の取引相手はFX業者ですよ。そもそも個人客の注文が業者を通じて銀行とダイレクトに約定してると思ってるんですか?

客の取引相手はあくまでも業者。業者はその約定した玉をどう扱おうと業者のリスクになります。業者は個人客よりも遥かに信用力はあるので銀行と直接取引(カバー)ができるという仕組みです。
(引用終わり)

FXの仕組みについては、元FX業界経験者様から頂戴したコメントの通りと、こじかも理解しております。それを簡単に説明するために「ノミ行為」というワードで表現しました。

しかしこのワードが誤解を招いたり、人によっては不快な思いをさせてしまったようです。こじかの語彙が貧弱で、配慮に欠ける表現を用いてしまったと反省しています。

記事全体の論調から読み取っていただけると思いますが、FXブローカーを悪者にしたり犯罪者扱いしておらず、むしろ擁護する側の視点で記事を書いています。

題材にしているExcel Marketsは優良なブローカーとして他の記事で多数取り上げているだけでなく、こじかが50万円の資金を預けるメインブローカーでもあります。

逆説的ですが、トレード条件の良い優良ブローカーだったからこそ、FXの仕組みを最大限活用する顧客が集まり、結果として営業停止に至る損失を招いたと理解しています。

このような文脈の記事ですから、本記事に限り「ノミ行為」というワードは悪意や敵意を含むものではありません。

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コメント:
ノミ行為って・・・国内・海外業者問わず取引約款読んでます?Google翻訳なんか使うほどだからどうせ英語すらできなくてちゃんと読んでないんでしょうけど・・・

客の取引相手はFX業者ですよ。そもそも個人客の注文が業者を通じて銀行とダイレクトに約定してると思ってるんですか?

客の取引相手はあくまでも業者。業者はその約定した玉をどう扱おうと業者のリスクになります。業者は個人客よりも遥かに信用力はあるので銀行と直接取引(カバー)ができるという仕組みです。

貴方のように知ったかぶりでいい加減なことを推測で書く人が多いから誤解して「ノミ行為ニダー!金融庁に通報するニダー!」みたいな輩がいっぱい湧いてくるんですよ。
そのツケが国内の意味不明なレバレッジ規制だと思うんですがね。よく考えたほうがいいと思いますよ。
2015/01/17(Sat) 22:48 | URL | 元FX業界経験者 | [編集]
コメントありがとうございます
元FX業界経験者様

個人的な憶測記事に丁寧なご意見を頂戴し恐れ入ります。
ご指摘を踏まえよく考えてまいります。

こじか
2015/01/17(Sat) 23:01 | URL | こじか | [編集]
こじかさんの説明で大筋違わないはず。情緒的な部分でノミって、ワードに過剰反応しっちゃったみたいね。破綻は、それに加えて、追証回収不能からでしょう。
2015/01/18(Sun) 14:08 | URL |  | [編集]
上様
コメントありがとうございます。
配慮に欠ける表現があったと反省し、補足説明を追記しました。

こじか

> こじかさんの説明で大筋違わないはず。情緒的な部分でノミって、ワードに過剰反応しっちゃったみたいね。破綻は、それに加えて、追証回収不能からでしょう。
2015/01/18(Sun) 16:03 | URL | こじか | [編集]
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2015/01/20(Tue) 16:21 |  |  | [編集]
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